今や日本人の3人に1人は<推し>がいる時代。アイドルやアニメ、キャラクターなどを<好き>という気持ちを超えて応援する活動=<推し活>という用語もすっかり浸透した。推し活にまつわる市場規模もますます成長しており、興味を持ち始めた人もいるはずだ。そこで『推し活を20倍楽しむ 〜オルタナ好きの僕がグループアイドル沼に嵌った15年と学んだ秘訣20』の著者・中村辰之介さんに、長年推し活をしていると訪れる“推し疲れ"について、さらには“ロス"を乗り越えて、永続的に推し活をする方法について自身の経験から語ってもらった。
【画像】まさに「推し活」のガイド本! 中村氏の著書
■推し活勢が最も恐れる"推し疲れ"への対処方法とは
「長年にわたって推し活をしている間には、<推し疲れ>に陥ることはよくあります。特に推しの活動スタイルが、自分の価値観に合わないものに変化していった時、嫌いになったわけではないけれど、かつてのような熱量の高い状態で好きでい続けることができなくなってしまった。そのことが何よりも辛かったという経験が僕にもあります。
その時はいったん立ち止まって、前より少し遠い距離から推しの活動を見守ってみるのは、いかがでしょうか。やがて『あの活動はこのための布石だったのか!』といった答え合わせができる瞬間が来ることもあります。
何より推しの活動に納得ができなくても、推しを傷つけるようなことをSNSに書き込むのは、絶対にしないでほしいと思っています。それは推しだけでなく、推しを推していた自分も否定する行為になる可能性もありますよね」
■卒業…結婚…“ロス"を乗り越え、永続的な推し活をするには?
「昨今は<アイドルも恋愛をする>という風潮が高まっています。僕自身、推しの出産報告に祝福の気持ちで、涙が止まらなくなったことがあります。推しの幸せは自分の幸せ。推し続けることで、人生が2倍の喜びに満ちるのも推し活の醍醐味です。
そんな僕もその推しがグループを卒業した時には、ショックで寝込んでしまったのも事実です。卒業ならまだしも、引退などによって完全に推せなくなった時の喪失感は計り知れません。
推しが目の前から消えてしまった──。そうしたロス状態に陥ったら、しばらくはいろんな界隈に満遍なく興味を持ってみる、グループアイドルだったら<箱推し>をしてみてはいかがでしょうか。やがて次なる推しと出会った時、ロスによる心の痛みもきっと癒えているのではないでしょうか」
■持続可能な推し活を実現する<二周目>のススメ
「僕は特撮ファンでもあるのですが、この界隈には<推し活歴50年超>というとてつもない先輩方が多くいらっしゃいます。とは言え、何十年にわたって同じモチベーションで推し続けてきた方ばかりでもないのでは? と想像します。
推し疲れやロスにも通じる話ですが、僕自身、推しが卒業した時からそのグループアイドルにやや興味を失っていました。それでも<好き以上の喜びのある推し活>を手放すのはあまりに残念なこと。そこで僕は<二周目の推し活が始まった>と考えるようにしました。具体的には人生をかけて没入していた<一周目>にはやっていなかった、さまざまな推し方を試してみたんです(詳しくは本を読んでください笑)
熱量高く推すだけが推し活ではないと思います。自分の気持ちに沿って推し方のスタンスを柔軟に変えていけば、人生に喜びを与えてくれる推し活はきっと持続可能なものになる、という考え方もあるのではないでしょうか」
(提供:オリコン)
11月12日 7時30分配信