桜島灰干し弁当の樹楽 倒産へ 米の価格高騰が追い打ちに 鹿児島
背景には材料の価格高騰があるといいます。
九州駅弁グランプリで準優勝したこともある「桜島灰干し弁当」の販売企業が倒産することがわかりました。
■ 樹楽 梛木春幸 社長
「ほんとに負の連鎖というかどうすることもできないというかですね」
倒産を決めたのは、桜島灰干し弁当を販売してきた姶良市の樹楽です。
負債総額は7000万円ほどと見られ、今後、鹿児島地裁加治木支部に破産手続きの開始を申し立てる方針です。
桜島灰干し弁当は伝統製法の「灰干し」を使ってうま味を凝縮した魚をメインに県内産の食材を使ったおかずを敷き詰めた駅弁です。
2012年に発売され、JR九州による九州駅弁グランプリでは2015年、準グランプリに輝きました。
かつては鹿児島中央駅の売り上げ1位を誇っていましたが、コロナ禍で売り上げが10分の1ほどに激減。
人件費・材料費の上昇に加え去年から追い打ちをかけたのが米の価格高騰です。
■ 樹楽 梛木春幸 社長
「10キロ3000円くらいで取引してたんですけど、いまもう1万円ですもんね。同じお米が値段を上げるっていってもですね、もう極端な話、2倍とか3倍にあげんと割りにあわんという感じだったので」
また、灰干しには市場にあまり出回らない未利用魚を使ってきましたが、最近は手に入りにくくなったのも廃業を決めた理由だといいます。
駅などではすでに先月から販売を休止していて、梛木さんは弁当は無くなるものの、今後も灰干しの普及活動は続けていくといいます。
■ 樹楽 梛木春幸 社長
「ほんと苦渋の決断というかだいぶ悩みましたけど、なんとか前を向いていくしかないなと」