いちき串木野市 洋上風力発電で波紋 鹿児島県
県は洋上風力発電の候補地として県内では初めていちき串木野市沖を国に推薦する情報提供を行いました。
国は再生可能エネルギーの利用促進のため洋上風力発電の建設を全国で進めていて、これまでに全国で10カ所が事業化が認められた「促進区域」に指定されています。
県内では、2年前から薩摩半島の西方沖での建設を県のほかいちき串木野市、薩摩川内市などの5市1町と、関係する漁協などからなる研究会で検討を進めてきました。
その結果、県は今月25日、いちき串木野市の沿岸からおよそ5キロ圏内を建設の想定海域とし、「促進区域」の前の段階の「有望区域」の指定を目指し、国に情報提供を行いました。
洋上風力発電の建設は都道府県からの情報提供がなければできないこととなっていて、今後、国の本格的な協議が始まります。
県は今回の情報提供について、「地元の一定の合意が得られたことや研究会では専門的な知見が不足しており、今後は国や専門家の知見をもって議論をすべきと判断した」などとしています。
一方、漁協の一部からは漁業に影響があるのではないかといった意見や地元の市民団体は騒音や海中への低周波音などを懸念しています。
【いちき串木野未来会議二井谷友希さん】
「国の科学的根拠が低周波に関する健康被害とかがないっということで私たちの意見を聞いてもらえない。情報提供してしまうと後戻りすることは難しいということが分かっておきながら進めてしまったことに憤りを覚えています」
県によりますと他の洋上風力発電の事案を踏まえると、国は10月ごろには『有望区域』か再度協議が必要となる『準備区域』かを判断する見通しだということです。