
リリー・フランキー、インタビュー
塚本晋也監督の最新作『ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?』(9月11日公開)より、出演するリリー・フランキーのインタビュー映像が解禁された。『野火』(2015年)以来となる塚本監督との再タッグや、戦争映画を作り続ける意味について語っている。
【動画】リリー・フランキー、インタビュー映像
本作は、18歳で米海兵隊に志願し、ベトナム戦争の最前線で戦った実在の帰還兵、アレン・ネルソン氏の自伝を原作とする戦争ドラマ。戦場で「加害者」となった一人の青年が、帰国後にPTSD(心的外傷後ストレス障害)に苦しみながら、自らの過去と向き合っていく姿を描く。
ネルソン氏は自身の体験をもとに、日本全国で1200回以上の講演を行い、「ほんとうの戦争」を語り続けた。塚本監督はその証言をもとに、「戦争加害者の傷」というテーマに真正面から挑んだ。米ニューヨーク、ベトナム、タイ、沖縄で撮影を行っている。
20年以上にわたり塚本監督と親交を深めてきたリリーが演じるのは、アレンの活動を日本とベトナムで支える黒井。塚本監督が取材を重ねた日本の関係者たちを集約して生み出された人物だ。
脚本を読んだ際、リリーは塚本監督が作品を通して繰り返し訴えてきたものを「反戦であり、非暴力」と受け止めたという。一方、「暴力を否定するためには、暴力を描かざるを得ない」と、戦場での加害を正面から描く意義にも言及する。
脚本からは作品が持つ力を強く感じたといい、「本当にこの題材を扱いながら、塚本さんのメッセージがこんなに強く出ているということは、すごい作品になるだろうなっていうのがわかった」と回想。その強さゆえに、作品へ参加することには「すごくしんどい思いがありましたね」と率直に明かした。
また、「外にも出ないで、ずっと台本を眺めているっていうことも、あんまりないなと思いました」と振り返り、普段以上に長い時間をかけて脚本や役と向き合ったことを語っている。
オファーを受けた理由を問われると、「塚本さんの映画に参加できるっていうことは、何よりも誇らしいことですし」と即答。「映画という意味では、ずっと感謝の気持ちがあって」と、塚本監督への特別な思いを口にした。
2人の縁は、リリーが初めて出演した映画、石井輝男監督の『盲獣vs一寸法師』(2001年)にさかのぼる。当時、演技経験が一度もなかったリリーは同作で塚本監督と共演。「僕の一番長く一緒にいた共演者が塚本さんなんですよ」と笑顔を見せる。その後、『野火』にも出演し、今回再び“戦争"を描く作品で向き合うことになった。
「今の時代に、この映画を作る意味とは?」との問いに、リリーは「戦争映画っていうのは、どの時代にとっても意味がある」と回答した。世界各地で戦争や紛争が続く現在だから必要なのではなく、「こういうことが起きていたんだっていうことを、常に人は忘れちゃいけない」と強調する。
戦争映画は、その時々の社会情勢に応じて作られるものではなく、「常に作られなければいけないはずのもの」だという。近年、米国でもベトナム戦争を題材にした映画が以前ほど作られなくなったことに触れ、「映画というものが持つ意味が、アメリカの中で変わってきたのかもしれない」とも語った。
最後にリリーは、「これはベトナム戦争に限らずですけど、『野火』でもそうでしたけども、このことはやっぱり50年経っても、80年経っても、誰かが伝え続けなければならない。それを作品にし続けなければいけないと思いますよね」と力を込めた。
(提供:オリコン)
9月3日 10時00分配信
塚本晋也監督、リリー・フランキー(C)Mr. Nelson, Did You Kill People? Film Partners (C)Allen Nelson/KODANSHA
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