保育士殺害事件 検察側は22年を求刑 弁護側は保護処分求める 鹿児島


徳之島で保育士の女性を殺害した罪などに問われている当時高校生だった男の裁判員裁判。28日の裁判で検察側が裁判所の指摘を受けて求刑を修正する異例の事態となりました。


当時高校生で現在19歳の男は2024年11月、伊仙町に住む保育士の菊池房子さんの家に侵入し、菊池さんの胸などを包丁で複数回突き刺すなどして殺害した罪に問われています。

初公判で男は起訴内容を認め、裁判は男に刑罰を科すか、保護処分とするかが争点となっています。

28日の裁判では冒頭、被害者の母親が「娘を返してほしい」などと涙ながらに訴え、遺族らが厳罰を求めました。


検察側は「犯行後に再度、死亡を確認しに戻るなど殺意が強く、計画も周到。発達障害が犯行に与えた影響も軽く、保護処分とする特段の事情はない」と指摘。少年院での保護処分は3年が上限で、期間内の更生も難しいとして、男に懲役23年を求刑しました。


しかし、ここで裁判長が検察側に確認を求めました。

今回、殺人罪で被告に科せる懲役は原則20年まで。銃刀法違反を合わせても想定される求刑は懲役22年までではないか、との指摘が入り、裁判は一時休廷となりました。

その後、検察側は発言を撤回し、求刑を懲役22年に修正しました。

「求刑の修正」という異例の事態について検察は、「求刑を言い間違えた」と理由を説明しましたが、その後「求刑で誤った年数を提示してしまった」「被告に科すことができる刑の上限の認識を誤っていた」と陳謝しました。

被告の弁護人は「普段の裁判ではあまりない出来事だ」と述べています。


続く弁護側は「被告は自閉スペクトラム症を有していたが、周囲から支援を受けられる環境になく、社会的な孤立感や『自分の人生はどうでもいい』などの自暴自棄な考えを抱く状況に置かれていた」と述べ、特性に合わせて集中的に指導を受けられる少年院での矯正が妥当として、保護処分を求めました。


裁判の終わりに発言の機会を与えられた男は
「身勝手な思いを優先し、それによって大切な人を奪ってしまった。すみませんでした」
と遺族に向けて謝罪しました。

裁判は28日で審理を終え、判決は来月9日に言い渡されます。

 
「KKBみんながカメラマン」