ふるさと納税返礼品の産地を偽装か 水迫畜産の元取締役(55)を逮捕「意図的ではない」容疑を否認 自治体からは怒りの声
今年3月に発覚した水迫畜産の不正表示問題でついに逮捕者です。元取締役が食品表示法違反と詐欺の疑いで逮捕されました。
「企業風土というよりは私の認識不足と確認不足によるものが大部分でございます。(偽装ではない?)はい。」
4月の会見でそう答えた水迫政輝容疑者(55)。このとき交代した前の社長の長男にあたり、食肉の加工販売などの業務を統括していました。
県警によりますと水迫容疑者は、他県産の牛肉を使った商品を鹿児島産と偽りふるさと納税の返礼品として納品したほか、商品の代金として納品先の事業者からおよそ145万円をだまし取った疑いが持たれています。
水迫畜産の不正表示は今年3月に農林水産省の行政指導で発覚し、県警は水迫畜産が意図的に不正表示をしたとみて食品表示法違反の疑いで家宅捜索していました。
今回偽装が確認されたのは牛肉を加工した商品120パック、合わせておよそ60キロで、鹿児島県産のものより安い他県産の牛肉でした。
水迫容疑者は当時、材料肉の仕入れや在庫管理、原料肉の指定などを1人で担当し加工する牛肉について指示していましたが、原産地については従業員に明かしていなかったといいます。
警察の調べに「私の確認不足で起きたことで、意図して偽装したわけではない」と容疑を否認しているということです。
4月の会見でもー
【水迫政輝容疑者】
「今回、九州農政局の調査において我々は2026年1月26日に確認書を交わさせて頂いてます。その中に今回の件に関しまして牛種、産地等において意図して行ったものではないとする文言を頂いております」
一方、九州農政局は水迫畜産から「意図的ではない」という一方的な主張はあったが、確認書は交わしておらず「意図的でない」と認めた事実もなかったとしています。
県によると不正表示の商品を返礼品として受け取った人の寄附額は県内8つの市と町で7億5千万円に上っています。
県警はほかの事業者に対する商品産地偽装も視野に捜査を進めるとしています。
商品をふるさと納税の返礼品に採用していた自治体からは怒りの声が。
【鹿児島市 下鶴隆央市長】
「水迫畜産からは『意図的なものではない』という説明を受けております。今回の逮捕容疑の通り、意図的なものだとすれば、きわめて遺憾に思っております。鹿児島市の、鹿児島県の畜産の評判、こういった点でも大変残念に思っているところでございます」
不正表示の商品を返礼品として送ったうち、鹿児島市は18日までに8割弱の対象に金券などおわびの品を発送したということです。
鹿児島県の塩田知事は「食の安心・安全や鹿児島県産和牛に対する消費者の信頼を揺るがしかねないものである。ふるさと納税制度に対する信頼も損ないかねないものであり、大変遺憾」などとコメントしています。
県内の食肉業界からも水迫畜産への苦言が出ています。
【県食肉生活衛生同業組合 肥後辰彦 理事長】
「私ども食肉組合も畜産県、鹿児島ということで、それこそ毎年一生懸命、組合員には偽装等ないように指導をしてきました。真面目に取り組んでいる矢先に、このような事件が起きて非常に残念に思っております。組合員も非常に迷惑な話なんです」
組合によりますと、水迫畜産は去年11月に組合に加入しましたが、問題発覚を受け今年5月に除名処分としています。加入前に農林水産省から問題の指摘を受けていましたが、組合への説明はなかったということです。