殺人未遂などに問われた元保育士の女(23) 殺意を否定 一方…検察側「なつかれず苛立ちを募らせ殺意あった」 鹿児島


 園児がなつかず、「痛い目を見れば言うことを聞くのでは」と考えたー。犯行の動機は余りに短絡的でした。2024年、鹿児島市の認定こども園で園児の首を切りつけ殺害しようとしたとして殺人未遂の罪などに問われた女の裁判員裁判が始まりました。

 殺人未遂などの罪に問われているのは南九州市の元保育士・笹山なつき被告(23)です。

 起訴状などによりますと、笹山被告はおととし6月、当時勤務していた鹿児島市の認定こども園で2歳の男の子の首をカッターナイフで切りつけ殺害しようとした罪に問われています。男の子は全治1か月のけがをしました。

 さらに、事件の4日前にも園内で女の子に暴行を加え鼻に全治約1週間のけがをさせたとして傷害の罪にも問われています。

 逮捕から2年ー。出廷した笹山被告は女の子への傷害の罪については起訴内容を認めた一方で、男の子への殺人未遂の罪については殺意はなかったと、起訴内容を一部否認しました。裁判は、男の子をカッターナイフで切りつけた行為に殺意があったかどうかが争点となっています。

 検察側は冒頭陳述で「園児からなつかれず苛立ちを募らせ、殺意を持って首を切り付けた。園の職員などにケガの理由を問われた際には『わからない』と述べ、犯行後には凶器を車に隠すなどした」と指摘。一方、弁護側は被告が男の子を傷つける意図で犯行に及んだと認めたうえで「子どもになついてもらえず『痛い目を見れば言うことを聞くのでは』と考えた。カッターでの切り付けは肩を狙ったもので殺意はなかった」などとし殺人未遂ではなく傷害罪の成立にとどまると主張しました。

 18日から始まった裁判員裁判、今後の裁判の争点について取材した宮城記者に解説してもらいます。

 VTRでも触れたとおり笹山被告は二つの事案でそれぞれ別の罪に問われています。

 一つは男の子を切り付けた殺人未遂の罪。もう一つは女の子を家具にぶつけてけがをさせた傷害の罪。このうち傷害については起訴内容を認めていますが、殺人未遂については「殺意はありませんでした」と述べています。

 検察・弁護側ともに切り付けた行為自体に争いはなく裁判の争点となるのは殺意があったかどうか。ここでいう殺意は、人が死ぬ可能性の高い行為を危険だとわかって行うこと。裁判ではそもそも切り付け行為は男の子が死ぬかもしれない行為だったのか、そして笹山被告が、それを十分理解して実行したのかについて、検察側と弁護側がそれぞれの見解を示し、裁判所が判断します。今回は裁判員裁判なので裁判員が証人に質問する場面もありました。切り付けた行為自体に双方争いはなく、凶器のカッターナイフは本体が5〜6cm。刃先は折られていてカッターの刃は長くて5mm程だったとされています。

 検察側の主張は、
◆殺意は「あった」
◆首に刃先を差し込み引いて切り裂いたとして殺人未遂の成立を主張しています。

 一方、弁護側は狙った場所は「右肩」で刃を突き刺す際は周りを確認していたため当たった場所ははっきりと見ていない。また、子どもが動いた可能性なども含め、殺意を持って首を切り付けたものではないとして傷害罪の成立にとどまるとしています。

 今後、男の子の傷の状況や被告の証言などをもとに審理が進められます。

 次回の公判は22日で、証人尋問や被告人質問で笹山被告が何を語るか。そして来月16日に判決が言い渡されます。

 
「KKBみんながカメラマン」