「地獄に落とされた」飲酒運転の車にひかれ死亡 24歳の娘の無念を裁判で訴えた父親 集めた署名は4000人分
去年10月、霧島市で飲酒運転の車に女性がひかれて死亡した事故で、運転していた男の初公判が開かれ、検察は拘禁刑4年を求刑しました。
酒気帯び運転と過失運転致死の罪に問われているのは、霧島市隼人町見次の飲食業牧野寛斎被告(38)です。
起訴状などによりますと牧野被告は去年10月、霧島市内の飲食店でビールやハイボールなどをおよそ10杯飲んだ後で車を運転し、道路脇でしゃがんでいた山下向日葵さん(24)をはねて死亡させたとされています。
9日の初公判で牧野被告は「間違いありません」と起訴内容を認めました。
検察側は「被告は過去にも飲酒運転をしていたと自供しており、常習性が認められ悪質」として拘禁刑4年を求刑。
一方、弁護側は「事故の際、被害者が道路脇にしゃがんでいたことは情状酌量の余地がある」などとして執行猶予付きの判決を求めました。
この日は山下さんの父親も出廷して、「娘の死で一気に地獄に落とされた。なぜ危険運転致死罪が適用されないのか」などと意見陳述しました。
裁判は9日結審し、判決は来月言い渡されます。
この裁判で意見陳述を行った山下向日葵さんの父親が、閉廷後にKKBの取材に応じました。
飲酒運転で愛娘を奪った被告への求刑は、拘禁刑4年。
率直な思いは――。
【山下向日葵さんの父・尚文さん】
「娘の命と引き換えの罰という意味では何年を求刑されても我々は納得いかない。(一方の)加害者の更生、反省をする期間にしては4年という期間はあまりにも短いのではないというのが率直な感想です」
山下向日葵さんの父・尚文さんら遺族は9日の裁判に被害者参加制度を利用して出廷しました。
【山下向日葵さんの父・尚文さん】
「可愛くて仕方なかったですね。妻からも溺愛していたねと言われるんですけど」
4兄弟の末っ子として産まれた向日葵さん。
その人生は24歳の若さで突然奪われました。
【山下向日葵さんの父・尚文さん】
「全てが夢であってくれたらと現実逃避しそうになってましたね。ただ最後出会えたことに関して、娘として産まれてきてくれたことに関して言葉をかけてあげないといけないかなと思ってですね。家族の手を取ってちゃんと現実を見つめる最後を迎えたような記憶があります」
遺族は被告人に対し過失運転致死ではなくより刑事罰の重い危険運転致死の適用を求め、およそ4000人の署名を集めましたが、検察が起訴した際の罪名は過失運転致死でした。
【山下向日葵さんの父・尚文さん】
「お酒を飲んだ状態で車を運転するという行為が果たして過失なのかと。前方不注意だったり注意散漫なところが見られたからそこの部分が過失と受け取られる前にそもそもやってはいけないことをしたという判断には危険は行為と私はなるべきだと思いますので納得はいってないです」
日本損害保険協会の調べによると、おととしの県内での飲酒運転による事故は45件で全国で18番目の多さですが、運転免許を持つ10万人当たりに換算すると全国ワースト7位と飲酒運転による事故が後を絶ちません。
【山下向日葵さんの父・尚文さん】
「(娘を亡くして)悔しかった、本当に悔しかったですね。それだけです。被告人に対しては、娘が失ってしまったモノをすべてまだ持っているので。生きること、次やり直すこと。
そこの、そこに対する不満はずっと持ち続けると思うので」
そして、改めて こう願います。
「人を巻き込んで悲しい人を作るような行為だけは絶対にしないでほしい」