H3ロケット 2度の延期 期待背負ったが… 鹿児島
22日朝の県庁18階。展望ロビーに集まった観客のお目当てはH3ロケット8号機の打ち上げです。
ロケットが打ち上がると拍手と歓声が沸き起こりました。
22日はお天気にも恵まれ肉眼でもロケットの様子を見ることができますロケット雲をカメラにおさめようと撮影する人の姿もー。
歓声もあがっていたH3ロケット8号機の打ち上げですが、搭載した衛星を計画の軌道に投入できず打ち上げは失敗しました。現地から中継です。
南種子町の種子島宇宙センターです。H3ロケット8号機は予定時刻の午前10時51分に種子島宇宙センターから打ち上げられました。
順調に打ち上がったかのように見えましたが、JAXA=宇宙航空研究開発機構によりますと、およそ25分後、第2段エンジンの2回目の燃焼が予定よりも早く停止。
打ち上げからおよそ4時間が経った午後2時半からの会見でJAXAは打ち上げは失敗したと明らかにしました。
【JAXA 山川宏 理事長】
「搭載された『みちびき5号機』に関係する皆さま、地元をはじめ関係する皆さま、国民の皆さまのご期待に応えられず心よりお詫び申し上げます」
JAXAによりますと第2段エンジンの1回目の燃焼停止から2回目の推力が立ち上がるまでの時間が予測値よりも42秒遅かったほか、2回目の燃焼が数秒で停止したということです。
【JAXA 岡田匡史 理事】
「つまりエンジンに着火したが、その直後にもう停止しているという状態。ロケットとしては、通常の止まり方ではないので衛星が分離したかという信号そのものが実際に把握できていない。したがって喪失したかどうかも含めてロケット側で調査を進めている」
JAXAは「失敗の原因が本当に第2段エンジンなのかも分からない」と話していて文部科学省とJAXAは対策本部を設置し、原因究明を急ぐとしています。
8号機に搭載していた「みちびき5号機」はスマートフォンやカーナビなどの高精度な位置情報の取得に役立てられる計画でした。
海外の衛星に頼らない日本版GPSの確立のため国が目指す7機体制のうち今回は6機目で、来年2月にはみちびき7号機の打ち上げが決まっていましたが、7機体制の実現はかなり遠のいたと言えそうです。
H3ロケットはここまで5機連続で打ち上げ成功していましたが、今回の失敗は初号機以来、2回目です。