相次ぐ高齢者の交通事故 専門家「小型モビリティの活用も」
高齢者による交通事故が相次いでいます。先月までの交通死亡事故のうち、高齢ドライバーの運転が関係している事故は約4割。運転免許の自主返納は減少傾向となる中、対策が求められています。
【店の従業員】
「中に入ったらブレーキを踏まれると思うんですけど、そこからグンと加速するような」
今月15日、鹿児島市の業務スーパーに車が突っ込み、店内で買い物をしていた女性がけがをしました。
警察などによりますと運転していたのは77歳の女性。
前向きに駐車をしようとした際、アクセルとブレーキを踏み間違え、車止めのブロックを乗り越え店に突っ込んだということです。
【東京都立大・星周一郎教授】
「本来は車の運転というのは危険なものだから全面的に禁止されていると。それを一定の資格、技能、知識を持って与えるということになっているので、高齢になって瞬時の判断ができないというのも厳密な審査をしていただく必要がある」
県警の最新のまとめでは、今年1月から先月までに交通事故で死亡した人は39人と前年と比べ減少していますが、そのうち約4割が65歳以上の高齢者の運転などが原因で起きています。
こうしたなか、減少傾向にあるのが高齢者の運転免許の自主返納です。
2019年に東京都で高齢者の男性が運転する車が暴走し、親子2人が亡くなった事故を受け県内でも高齢者の運転免許の自主返納はピークとなりましたが、その後、減少傾向が続いています。
【東京都立大・星周一郎教授】
「公共交通機関というのは一定程度の人口がないと維持できないインフラだと」「車なしの生活をしてくださいというのは難しい面もあると思う」
そのうえで、こうした提案も。
【東京都立大・星周一郎教授】
「自動車ではなくても小型モビリティと言いますけど原付の三輪車のようなですね、最低限の移動はできると、足の悪い方でも最低限の移動はできるみたいなものもだいぶ増えてきましたので切り替えを考えるとか」
専門家は地域の実情に沿った対策を高齢者自身とその周囲が考える時期に来ていると指摘しています。