長引くJR肥薩線一部区間の運行休止 飲食店にも影響「通学の姿がほとんどない」 鹿児島
不通の肥薩線路線図山間部のまちでは、通学や通勤に鉄道が欠かせません。湧水町の肥薩線・吉松駅では熊本・人吉間に加え、8月の豪雨で隼人まで運行が止まり、復旧の見通しが立ちません。駅周辺を取材しました。
奄美に住む孫が大の列車好きだというこの女性。先月孫が遊びに来た際、列車に乗せることができず残念だったと話します。
【女性】
「列車とか乗る機会がないから、それをさせたかったけどできなかった」
吉松駅に隣接する観光SL会館「ぽっぽ亭」。店の名物・ちゃんぽんは遠路はるばる訪れるファンもいるほどの人気です。
店を営むNPO法人の代表、永野龍郎さん(73)は、8月の豪雨以降、客足にも影響が出ていると言います。
【NPO法人代表・永野龍郎さん】
「ここに降り立ってくだされば必ずウチの店に寄って話したり食べたりして会話を楽しんでいたんですけどね。そういうお客さんが少なくなったことはほんと事実です。はい、もう大変です」
JR九州は肥薩線の吉松ー隼人間で代替バスを運行していますが、町も独自で、11月4日から隼人駅まで代替バスの運行をスタートしました。しかしーー。
【NPO法人代表・永野龍郎さん】
「やはり、ここ(吉松駅)に集まって通学でしょ。その姿がほとんど見えなくなってる状況ですよね。それを考えるとやはり寂しいですよね」
駅の向かいにある温泉。店主の能勢秀昭(76)さんは町の人の暮らし自体が変化したケースもあると話します。
【吉松駅前温泉 能勢秀昭さん】
「とうとうね、加治木の国分地区に引っ越しをされた方もいらっしゃるんですよ。お父さんがこっちの職場、一人動けばいいだけだけど、子どもたちはもう向こうの学校の近くがいいと」
住民が切望するのは一刻も早い鉄道の復旧です。
【吉松駅前温泉 能勢秀昭さん】
「できるだけ列車は早く通してほしいと。JRさんにもお願いしたいし、県もしくは国のほうでもね考えていただくことがあれば急いでいただきたいなと思いますね」