お茶の取引価格が高騰 背景に世界的抹茶ブーム 鹿児島


荒茶生産量日本一の鹿児島。長年、相場が低迷していましたが、いまの時期にとれる茶葉の価格が異常といえるほど高騰しています。背景には世界的なブームがありました。

【小田アナウンサー】
「入札が始まりました。この時期にとれる秋冬番茶、実は今、異例の高値相場となっています」

28日あさ行われた「番茶」の入札。
この時期に収穫されるお茶は秋冬番茶といいます。
茶葉を仕入れる問屋からはこんな声がー。

【問屋】
「異常すぎる。ちょっと過去になかった。一番茶を買っているような状態。一番茶の値段なので、秋冬番茶が」

去年の同じ時期の秋冬番茶は1キロあたり平均300円から400円台で取り引きされていましたが、今年は3000円を突破し、去年の7倍近くに。
日を追うごとに価格が上がり28日は3353円と今年の一番茶の平均を上回っています。

【県茶商業協同組合 岡村 謙理事長】
「去年との格差が大きすぎて混乱している。国内でのお茶離れが進まないかと危惧している」

記録的な高値となっている要因は?

【県茶業会議所 光村 徹専務理事】
「背景としては世界的な抹茶ブームがある。抹茶の原料に煎茶の原料が流れて、煎茶の供給が減った」

長年の相場の低迷で全国的に生産量が減るなか、抹茶ブームが到来。
飲料メーカーが原料の確保に動いていて、かつてない高騰が続いているといいます。

【県茶業会議所 光村 徹専務理事】
「消費者にとっては、今後、お茶の価格の引き上げの影響が出てくる。需要減につながりかねないところが心配される」

抹茶の原料となるてん茶を生産している霧島市の製茶会社。
自社工場で加工した抹茶をアメリカやヨーロッパなどに輸出しています。

【ヘンタ製茶 邉田 孝一代表取締役】
「てん茶がかなり品薄で高く取引されている。これ以上、高くなると、我々よりも問屋が厳しくなる。売りにくくなる。特にリーフ茶が売りにくくなると思う」

今後の見通しはー。

【県茶業会議所 光村 徹専務理事】
「高値は続いていくのかなと生産現場としては増産を視野に入れて、取り組みを進めてほしい。荒茶工場の整備や再編への予算的な支援も今後ますます必要」

 
「KKBみんながカメラマン」