枕崎 フィリピン人元技能実習生3人が証言台に 「今でもトラウマ…」 鹿児島


枕崎市の水産加工会社で働いていたフィリピン人の元技能実習生4人が、劣悪な環境での生活を強いられたなどとして、当時の勤務先などに損害賠償を求めている裁判で、28日原告3人が証言台に立ちました。

監理団体の「枕崎市水産物振興協同組合」と当時の勤務先のかつお節工場を訴えているのは2018年から2023年の間に技能実習生として働いていたフィリピン人の20代から30代の女性4人です。

訴状によりますと、4人は監理団体が運営する宿舎で生活していましたが、技能実習法で定める広さの寝室を与えられず、不当に外出を制限されるといった扱いを受けたほか、事前の説明に反して重い箱の上げ下げを頻繁に命じられ、病気を患ったなどとして監理団体と勤務先にあわせて約970万円の損害賠償を求めています。

28日の裁判で原告3人が証言台に立ちました。
そのうちの1人は、生活する上でどのようなルールや制約があったのか問われ、「宿舎からの外出を申請しても大半が許可されず、妊娠をしないようにと職場以外の男性と話をすることも禁じられていた」と話しました。

当時、技能実習生の監理責任者だった女性については、「機嫌次第で3時間ほど立たされることが何度もあった」とし、「今もトラウマで思い出すだけで不安になる」と声を詰まらせながら証言しました。

29日は元技能実習生の勤務先の代表らへの尋問が予定されています。

なお、国は2023年、法に基づいた適切な指導を行なっていなかったなどとして監理団体に対し技能実習法に基づく改善命令を行っています。

 
「KKBみんながカメラマン」