2018年男子中学生の自殺を巡る裁判 元校長と母親が証言台に 鹿児島


 男子中学生が自殺したのは教諭の個別指導が原因などとして遺族が市に損害賠償を求めている裁判で、当時の校長と自殺した生徒の母親が証言台に立ちました。

 訴えているのは2018年9月に自殺した鹿児島市立中学3年の男子生徒の遺族です。

 訴状によりますと、遺族は男子生徒に対し担任の女性教諭が個別指導で大声で叱責するなどしたことが自殺の原因であるとし、市に約6600万円の損害賠償を求めています。

 23日の裁判で当時の校長は、女性教諭が過去に体罰による問題行為を起こしていたことを知っていたか問われ、「男子生徒が自殺するまで知らなかった」とした上で、大声での指導については「不適切だった」と証言しました。

 一方、男子生徒の母親は「生まれて来た時の愛おしさと亡くなった時の悲しさが日々襲ってくる」と今の心境を語りました。当時、男子生徒に悩みはあったか問われ、「家族関係や勉強などに悩みはなかった。唯一の悩みは担任の女性教諭だったと思う」と述べ、『個別指導が自殺の原因』と証言しました。

 この事案をめぐり鹿児島市教委の調査委員会は「生徒が様々なストレスを抱える中で個別指導が自殺の引き金になった」と推察したとする最終報告書を取りまとめています。

 
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