特別警報から1週間 いまも爪痕残る 浸水した食堂や農業被害は 


 特別警報が出された記録的な大雨から1週間、お盆の観光シーズンでも霧島の飲食店では営業できず、復旧作業に追われています。

 これまでの県のまとめでは今回の大雨で死者1人、けが人5人。家屋の全壊が2棟、床上・床下浸水の被害は750棟以上に及んでいます。

 こちらの飲食店も被害は色濃くー。

 【田上記者リポート】
「レストランの厨房ですが、私の腰の高さまで浸水し、ここに置いてあったほとんどの厨房機器が使えなくなっています」

 【日当山無垢食堂 松枝俊顕支配人】
「何から手を付けていいか分からない状態だった。すべて壊れた全滅状態って感じ」

 お盆のかき入れ時に備えていつもより食材を多く仕入れた直後でした。

 【日当山無垢食堂 松枝俊顕支配人】
「旅行者や帰省客が来る毎年売り上げがたつ時期ではあったので、大量に廃棄するしかなかった」

 1週間が経った今も新しい厨房機器の調達など「やることは山積み」ですが、ボランティアの協力やクラウドファンディングに集まった資金で再開への道筋も見えてきました。

 【日当山無垢食堂 スタッフ】
「ボランティアの方とか農家さんもご自身の畑とかすごいひどい状態なのに、農業用のタンクを持ってきてくれてすごい助かっている」

 【日当山無垢食堂 松枝俊顕支配人】
「9月中には営業再開したいと思っている。新たな出発の時には皆さんにご来店頂いて無垢食堂を楽しんでいただきたい」

 霧島市ではまた、複数の道路で崩落などが起き通行再開のめどが立っていません。国分重久では約150mにわたり道路が流され、今は土を積んだ仮設の道路が敷かれています。 豪雨から1週間、姶良市の小山田地域では15日、水道が復旧する見込みです。

 【農家】
「この辺の杉の木を見てもびっくり、水の力はすごい」

 田んぼの上には木々がなぎ倒れ、いまだ撤去できていません。
 
 【農家】
「杉の木が橋にかかって水位が上がり、この田んぼの上まで全部川になった。小屋をつくって農業機械を入れていたが、全部流されてしまった」

 猛暑が続くにも関わらず水門が壊れ田んぼに水が引けず、農家は悲鳴をあげています。

 【農家】
「水路で流れてくる。水門まで壊れて水が来ない。用水路も水が来ない。水中ポンプでエンジンかけて水をあげてやっているが、こんなになるとは思わなかった」

 県がこれまでにまとめた農業被害額は約64億5000万円。農地やのり面崩壊が753件、農道の崩壊や用水路の埋没といった施設関係の損害が435件確認されています。
農作物については水田への土砂流入による稲の被害を中心に大豆、イチゴ、オクラなどの冠水もあり約3915万円としていますが、さらに増える可能性があります。

 
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