被災住民に入浴無料サービス・風呂に泥も 豪雨に負けず営業
断水で入浴できない姶良市と霧島市の住民のため鹿児島市の温泉施設が入浴の無料サービスを始めました。
姶良市と霧島市では水源につながる配管の破損で断水が続いていましたが、霧島市はけさ解消、姶良市では依然1万5千戸あまりが断水しています。
ただ、姶良市の姶良地区は大半が当初の予定より早まり、14日には復旧する見込みです。
住民は入浴などの生活用水にも困っています。
そこで、鹿児島市の8つの温泉施設は被災した住民を無料で受け入れています。
(かごっま温泉 原田孝造店主)
「無料でサービスするので気持ちよく入ってもらいたい」
別な温泉には被災した人が入浴に訪れました。
Q.久しぶりのお風呂はどうだった?
(姶良市から)
「気持ちよかった」
(姶良市から)
「(入浴は)2日ぶりだった。ありがたかった。近くは人が多かったので鹿児島まで入浴に来て助かった」
入浴の無料サービスは鹿児島市のみどり温泉、薬師温泉・吉野温泉、福助温泉、亀乃湯温泉、みやこ温泉、かごっま温泉、かいせい乃湯でみどり温泉以外はあさってまでです。
他の自治体では、災害が起きた時に、自治体の垣根を越えて“連携し助け合う”仕組みがあります。
1月に埼玉県八潮市で発生した道路陥没事故で、下水道の使用制限が出た地域の住民のために、隣接する東京・足立区は銭湯を無料開放しました。
鹿児島市の公衆浴場の組合も自治体と災害時の協定を結ぶ準備を進めています。
(県公衆浴場業生活衛生同業組合 鹿児島市支部 永用八郎支部長)
「9月か10月初旬には鹿児島市と災害時の協定を結ぼうとしている。(協定は)鹿児島市内だけの内容だが今後隣りの自治体などで災害があった時の対応も(協定に)盛り込まないといけないかと」
ただ、今回はちょうどお盆の繁忙期で各施設が“手弁当で”行うサービスには限界もあります。
(県公衆浴場業生活衛生同業組合 鹿児島市支部 永用八郎支部長)
「温泉といえども半数以上の施設が(燃料を使って)沸かしている。サウナもあるし、電気代もかかるし、コスト面で問題が出てくる。対応しきれないことも」
補助金など自治体が支援する仕組みも求められます。
一方、霧島市の温泉地では。
「本当にもう、何十年ぶりというか今までこんなに泥が上がったことない。僕がここに来てから初めて」
霧島市牧園町にある湯治の宿・妙見館。
発災から6日が経った13日も浴槽にたまった泥をかきだす作業が続いていました。
宿泊施設にとって「夏休み」「お盆」は絶好の書き入れ時ですが…
【湯治の宿 妙見館 橘翔士代表】
「お盆の時期は団体客含めてほぼキャンセルになってしまった」
予定では13日から32人が5泊するはずでしたが、キャンセルになったと言います。
ただ、今回の豪雨で被害を受けたのは、地下の大浴場のみ。
無事だった1階の大浴場と露天風呂付きの客室を使って豪雨にも負けずに営業を続けています。
【湯治の宿 妙見館 橘翔士代表】
「こちらとしては受け入れ体制は万全。ぜひお越しいただきたい」