トカラ群発地震2000回を超える 災害支援ナース「心労は高まるばかり」 国は家畜の避難費用を補助へ
トカラ列島近海で続く地震は、この3週間余りですでに2千回を超えています。
けさも震度4の地震を観測し、避難している住民の帰島判断は20日に延期となりました。
14日午前8時半過ぎ、トカラ列島近海を震源とする地震が発生し、悪石島で震度4を観測しました。
震度1以上の地震は14日午後4時までに30回、先月21日以降ではすでに2000回を超えています。
島外避難について十島村は震度4以上の地震が5日間なければ、希望者が島に帰れるよう準備を進めるとしていますが、先週金曜日から連日、震度4の揺れを観測しています。
このため、帰島の判断は最短で今月20日、フェリーの出港は早くても21日となる見通しです。
【鹿児島市立病院 永尾 香織さん】
「実際、震度4の体験もあちらでしたんですが。もうほんとに揺れがひどく感じられました」
鹿児島市立病院の看護師・永尾香織さんは、悪石島へ1週間、災害支援ナースとして派遣されました。
一軒一軒まわり、島民の健康状態を確認したほか、少しでもなごんでもらおうと避難所に「よろずカフェ」と称した場も開設しました。
【鹿児島市立病院 永尾香織さん】
「島民の方たちすごく不安だろうなというのは身に染みて感じましたので(カフェでは)ご家族のことであったりとか、そういう別のお話をすることで少し笑顔を引き出せるような形で声かけをしていったという形になります」
【久保村長】
「島民の不安や心配は積み重なり、心労は高まるばかりでございます。できうることは全て取り組んで参りたいと思います」
避難が続く中、生計をどう立てていくのか不安は募ります。十島村の久保村長は塩田知事とともに坂井防災担当大臣との協議に臨み、島で農林水産業や民宿の 経営に携わる住民の支援を求めました。
【塩田知事】
「収入もない中で将来への不安を抱えて生活しているので対策をお願いしたいというお話がございました。」
また、家畜の世話で避難できない住民がいることを踏まえ、知事は家畜の避難にかかる財政支援などを求めました。
国は家畜の移動にかかる経費の半分を補助することを決めたということです。