悪石島 震度6弱から1週間 周辺の島も注意を 鹿児島県
トカラ列島近海で震度6弱の地震が発生して10日で1週間が経ちます。地震の発生回数を見てみると10日は午後4時までで12回、ここ数日減っているようにも感じますが、地震の回数が100回に満たない日でも震度5弱を観測する日もあり、油断できません。
専門家の調査では震源の位置に変化がみられていて悪石島だけでなく周辺の島々でも注意が必要です。
トカラ列島近海を震源とする一連の地震が発生してきょうで20日。これまでに観測された震度1以上の地震は1750回を超えました。
【地震調査委員会委員】
「この地域の地震活動は活発な期間と落ち着いた期間を繰り返しながら継続することが多くありますので地震活動の終わりの時期を特定することはかなり難しいものとなっております」
政府の地震調査委員会は9日の会議で、活発な地震活動はいまも続いているという見解を示しました。
今回の地震活動については東側の悪石島と西側の宝島の2つの領域で活発になっていて、地震は陸のプレート内で発生していると指摘。
宝島の領域では地震活動は低調になりつつあるものの、悪石島の領域では今月7日にも震度5弱を観測するなど活発な状態が続いているとしています。
【地震調査委員会委員】
「悪石島から宝島にかけての領域はトカラ列島の活火山列の延長上に位置しており、このような火山地域の過去の例では一連の活動の中で最大規模の地震と同程度の地震が発生しやすい特徴があります」
また、鹿児島大学が設置している観測点と合わせて一連の地震の震源の深さを再分析したところ、おおむね10キロ前後と気象庁の推計よりも震源が浅かったことが分かりました。浅いところで起きているために地上での強い揺れにつながったとみられています。
震源の位置にも変化が。こちらは今月3日から9日にかけて震源の真上にあたる震央の分布を表したものです。 6日までは悪石島や宝島周辺に多くが分布していましたが、7日になると悪石島の北、諏訪之瀬島周辺にも急に分布が増えています。
気象庁は諏訪之瀬島周辺に震源が北上していることについて、悪石島などでの地震と震源の領域が異なり、発生のメカニズムも違うものだと考えられるとしています。
【東北大学遠田晋次教授】
「群発地震の活動の期間が続けば続くほど、震源域が広がる可能性がある。周辺の島々の方々も注意した方がいい」