トカラ群発地震 1700回に迫る… 専門家は
「最大震度3の地震が発表されました」
先月21日から連日鳴り続ける地震速報。
テレビ画面にも頻繁に速報が映し出される日々が続いています。
トカラ列島近海で、今月は連日100回を超えていた地震の回数が、7日から若干減っていると感じた方も少なくないかもしれません。
でも、実態はどうなのでしょうか?
専門家に今後の見通しを聞きました。
先月下旬から連日、地震速報が発表されています。
7日、8日は若干、その回数が減っているように感じるかもしれません。
ただ、危機管理はもちろん今も続いています。
(十島村 久保源一郎 村長)
「現時点で悪石島の5人から(島外避難の)希望がありました。フェリーとしま2で鹿児島市に自主避難します」
島外避難の第三陣として、9日新たに悪石島から5人が鹿児島市に避難します。
これで、島に残るのは20人になります。
依然、今後の収束の見通しが立たない中で避難の対応が続いています。
(十島村 久保源一郎 村長)
「いつ島に帰すかというのは、心理的な問題も加わってくるし、地震の情報も予測がつかないので、判断に困っている」
一方で、悪石島学園の児童ら14人はけさから避難先のホテルでオンラインをつなぐ授業が始まりました。
十島村の悪石島では先月21日から震度1以上の地震が1670回を超え、今月3日には悪石島で震度6弱を観測。
6日は震度5強の揺れを2回観測しています。
気象庁は引き続き震度6弱程度の地震に注意するよう呼びかけています。
先月21日からのトカラ列島近海を震源とする震度1以上の地震はこれまでに1680回を超えています。
3日には悪石島で震度6弱、6日も震度5強を2回観測しました。
ただ、日別にみると7日は60回、8日は29回と一旦、減っているようにもみえますが、この地震について専門家はどう見ているのでしょうか。
(東北大学 遠田晋次 教授)
「地下の深いところでマグマが入り込んで、圧力をかけている可能性が高い」
専門家が今回の地震に「似ている」と指摘するのが、2000年に伊豆諸島で発生した群発地震。
当時、伊豆諸島では三宅島が噴火し、全島避難を余儀なくされました。
(東北大学 遠田晋次 教授)
「(要因は)火山活動。三宅島にとどまらず、近海の地下にマグマが岩盤のなかを割り入って圧力をかける。広い範囲で地震が誘発された」
地震は1、2カ月続く可能性があると指摘します。
(東北大学 遠田晋次 教授)
「(今後)M7程度の地震も考えておかないといけないと思う。群発地震の活動の期間が続けば続くほど、震源域が広がる可能性がある。周辺の島々の方々も注意した方がいい」
なお、第十管区海上保安本部は9日、霧島からトカラ列島に渡る広い海域で海域火山の監視観測を行うとしています。