鹿児島県鹿屋市出身の落語家・桂竹丸さん語る〜部下の特攻 拒んだ指揮官


 戦争体験を語り継ぐ「6.17平和のつどい」は生協コープかごしまが毎年開いています。戦後80年の今年は長崎で原爆投下の実態を学んだ子どもたちによる報告がありました。

 ●「長崎平和の旅」の参加報告 霧島市・中1柳田咲希さん
「一番印象に残ったのは原爆資料館です。こんなに大きな被害をもたらす核爆弾が今でもたくさん世界に残っているんだと思いました。」

 小学6年生の室田麻陽さんは被爆者の話が心に残りました。

 ●「長崎平和の旅」の参加報告 志布志市・小6室田麻陽さん
「原爆が落ちた後、暑さで皮膚がむけてまるで振袖のように垂れ下がり、邪魔だと思ってそれを引きちぎって逃げていた人もいた。戦争の本を読んだり、動画を見ることはありましたが、原爆が落ちた時の音や匂いまでは教えてくれません。」 

 戦争の記憶をどう伝えるか。会場では、実在した部隊をモデルにした落語も披露されました。

 ●桂竹丸さん
「すべてのパイロットを特攻にする。みなさんどういうことか分かりますよね。パイロットはみんな死んでいけと言っているんですよ。」 

 鹿屋市出身の落語家・桂竹丸さん。20年ほど前から「特攻」をテーマにした創作落語に取り組んでいます。今年、各地で披露しているのが曽於市岩川に拠点があった海軍の航空隊「芙蓉部隊」。 指揮官を務めていた美濃部正少佐は軍の命令に逆らうことが困難だった太平洋戦争末期、「特攻」に異議を唱えます。

 ●桂竹丸さん
「特攻で死んでいけって最高幹部が言ってるんですよ、美濃部立ち上がります。特攻ではアメリカには勝てません。バッタバッタ撃ち落されるだけです」 

 「芙蓉部隊」は特攻作戦ではなく、夜間に攻撃する独自の戦法で戦い続けました。竹丸さんは美濃部少佐の姿を通して命の尊さを訴えます。

 ●参加者
「特攻に反対した方がいたのは初めて知りました。聴きいってしまいましたね」

「昔の人たちの苦労っていうのがすごく胸にきて。やっぱり平和をつなげていかないといけないんだなって思って」

 ●桂竹丸さん
「残りの人生逆算したら、できることは何かなと。あの戦争の痛ましさっていうものが。平和へのメッセージとつながっていかないことには死んでいった皆様に申し訳ない、あわす顔がないんじゃないかなと思って。戦争は絶対しちゃいかん。戦争っていうのは人を正常でいられなくするものであると。美濃部さんの生きざまみたいなものがちょっとでも伝わればなと思ってね」 

 実在した指揮官をモデルにした創作落語。桂竹丸さんは今年、各地で披露する予定です。

 
「KKBみんながカメラマン」