《かごしまのニュース》
『鹿児島市下荒田 4人死傷事故 女(85)に検察が禁錮3年6カ月求刑 被告「本当に申し訳ない」 専門家はどうみるー』
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去年11月、鹿児島市の下荒田で4人が車にはねられ死傷した事故、運転していた85歳の女の裁判で検察は禁錮3年6カ月を求刑しました。
起訴状などによりますと鹿児島市の無職・吉?順子被告は去年11月、車を時速15kmから20kmで走行させ交差点を右折する際、ブレーキとアクセルを踏み間違え、横断歩道や歩道上にいた男女4人をはね、37歳の男性を死亡させたとされています。3人が重傷を負い、このうち40代の女性が脳に後遺症を負いました。
吉?被告は起訴内容を認めていて争点は刑の重さ、量刑となっています。裁判で検察側は吉?被告が事故の直近10年間で5回の人身・物損事故を起こしており起こるべくして起きた事故だと指摘。被害者も厳罰を望んでいるとして、禁錮3年6カ月を求刑しました。
弁護側は吉?被告が高齢者講習でも問題ないとされ免許を返納するほど運転に不安はなかったと主張。免許取り消しとなっていて再犯の可能性もないとして執行猶予付きの判決を求めました。
裁判長に最後に何か話したいことはあるか尋ねられた吉?被告は、「被害者は事故で人生の全てを失ってしまった。本当に申し訳ない」と涙ながらに話しました。
判決は来年1月15日に言い渡されます。
禁錮3年6か月という求刑について、専門家は「仮に量刑が短くなったとしても、実刑を求める意識が見える」と分析しています。
【東京都立大・星周一郎教授】
「あえて3年を超える量刑をですね、求刑しているということは、ちょっと執行猶予ということは検察としてはあまり望ましくないと。やっぱり実刑でなければいけないというメッセージなのかなと」
一般的に、量刑は求刑の刑期の“八掛け”ほどになることが多いため、検察による求刑は2割程度上乗せするケースが多いとされます。この点については―。
【東京都立大・星周一郎教授】
「八掛けよりはさらに低い2年6月であったとしても、やはり実刑をつけてもらいたいっていう意識はあるのかもしれません」
星教授は吉崎被告が75歳になって以降、5回の人身・物損事故を起こしている点にも注目しています。
【東京都立大・星周一郎教授】
「亡くなられた方が現にいるという重みと、この10年間に何回も事故を起こしていると。それなのにっていうところが、ある意味累犯なところがあって」
高齢ドライバーによる事故が後を絶たない中、どんな判決が下されるのか注目されます。
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