鹿児島放送番組審議会

第405回 2023年1月25日

 KKB鹿児島放送の番組審議会は、志學館大学教授の原口泉さんを委員長に県内の有識者8人で構成され、放送番組の向上と適正化を目指して意見が交わされています。
今回は、12月7日に放送した「牛丼とラーメンと 稲盛和夫 十の証言」について審議しました。主な討議内容は次のとおりです。

課題番組「牛丼とラーメンと 稲盛和夫 十の証言」
(令和4年12月7日(水)19時〜19時54分放送)

  1. 郷土の偉人である、故稲盛和夫さんについて、スポーツ選手、アーティスト、経済人、科学者、僧侶、家族など様々な分野の方のインタビューを通じて描いた番組であった。お亡くなりになられ、改めて稲盛さんへの関心が高まっており、放映時期も時宜を得た企画だったと思う。また、こうした郷土の偉人を取り上げた番組制作は、まさに地方局に期待されるものだと思う。
  2. 稲盛さんの人柄、生き方、経営哲学といったものが1時間の番組に凝縮されていて、とても見応えのある番組だった。どのインタビューも具体的なエピソードが語られ、そこから稲盛さんの人柄や哲学、事業にかける思い、ふるさと鹿児島への思い、人間的な魅力などがよく伝わってきた。たいへん丁寧に取材していることがうかがえた。関わりのあった多様な人たちに丁寧に取材することで、こうした作りが可能になったのだと思う。証言者の広がりが、そのまま稲盛さんの「大きさ」を感じさせた。また著書からの引用や、当時の写真をうまく生かして、わかりやすくインタビューを補足していたと思う。
  3. 「謙虚であれ」「謙虚とは、魔除けだ。謙虚である限り失敗することもなく、悪い人間は寄ってこない」「利他の精神」「常に全力投球」「誰にもできない努力をしたか」「ど真剣」などの稲盛語録が、具体的なエピソードとともに紹介されたのは、よかったと思う。また、単純明快、矛盾がない、「敬天愛人」を実践、一貫していた姿勢なども放送を通じて自ずと浮かび上がっていたと思う。「稲盛和夫」像として信念と姿勢が窺われ、トップリーダーのぶれない信条が多くの方を魅了してきた影響力のすごさに感銘をうけることができた。
  4. ナレーションは鹿児島県出身の迫田孝也さんが務め、ラストにはお別れの会の様子が流れるなど、全体を通して郷土の偉人、稲盛和夫さんの追悼にふさわしい番組だった。稲盛さんのお人柄が偲ばれるだけでなく、日本経済の巨人稲盛和夫の優れた伝記になっていると思う。番組制作にあたられた方々には敬意を表したい。
 以上のような感想や意見、要望が出されました。
 KKB鹿児島放送は今後もこれらの声を番組制作にいかしてまいります。
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