鹿児島放送番組審議会

第391回 2021年7月28日

KKB鹿児島放送の番組審議会は志學館大学教授の原口泉さんを委員長に県内の有識者9人で構成され、放送番組の向上と適正化を目指して意見が交わされています。今回の第391回番組審議会では「ジェンダー平等のためにテレビのできること」について審議しました。主な討議内容は次のとおりです。

『ジェンダー平等のためにテレビのできること』

  1. テレビドラマの中には、時代先取りの脚本等で、さらりとその性別にとらわれない考え方を示しているものもある。一方で、一部のバラエティー番組をはじめ旧態依然としたものも少なくない。積極的にジェンダー平等への啓発や働きかけを行っているとは言い難いのではないかと思っている。
  2. メディアにおいては、提供する情報の内容が偏ることを防止し、性や暴力に関する表現に対して、男性の視点だけではなく、女性の視点からどう見えるのかなど、自主的に女性の人権に配慮した取り組みを進めていくことが大切だ。男性女性、両方が参画する形で、いろいろな意思決定などに関わっていくということが重要だと思う。
  3. 制作する側に求められるのは、人を見極めて、性別を意識せずに、この人だからこういうようなことをしていただこうという感覚を養うことなのではないか。男性であること、女性であること、それは一つの個性だという捉え方をして番組を作っていただければよいと思う。
  4. 性別に関わらず、全ての人がその個性と能力を十分に発揮し、生き生きと活躍できるような社会を実現するため、メディアにおいても市民意識の醸成を図るとともに、女性の参画率が低い状況にある分野、特に経営層や管理職のようなマネージメントを行う層における女性参画を推進していただきたい。
  5. 固定的な「性別役割分担の意識」、人々が持っている「意識の解消」や「無意識の思い込み」、いわゆる「アンコンシャスバイアス」といったような自分では気付かない、当たり前に思っているようなことが、ジェンダー平等を妨げているということもある。社会の実情とか世の中の動き、問題提起なども含めて、番組に取り上げ伝えるということが、メディア、テレビに一番期待されるところではないか。
  6. ジェンダー問題は、環境や立場によって捉え方が違う難しい問題である。ジェンダー平等のためにテレビができることを考えるのではなくて、ジェンダー平等のために、テレビがやってはいけないことを自覚することだと思う。
以上のような感想や意見、要望が出されました。
KKB鹿児島放送は、今後もこれらの声を番組制作や放送活動に生かしてまいります。
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