鹿児島放送番組審議会

第341回 2016年7月21日

鹿児島放送の番組審議会は、志學館大学教授で鹿児島県立図書館長の原口泉さんを委員長に
県内の有識者8人で構成され、放送番組の向上をめざして意見を交わしています。
今回は、6月26日(日)に放送しました「環境特番2016 自然遺産登録を目指す島奄美 〜森と海と人の物語〜」について審議しました。
主な討議内容は次の通りです。

『環境特番2016 自然遺産登録を目指す島奄美 〜森と海と人の物語〜』

  1. 旅と自然がテーマの番組はやはりテレビ画面で見たい。それにこたえてくれた番組で、画面上に字幕が多すぎず、奄美大島の豊かな大自然に浸ることができた。自然遺産登録の条件についてもう少し十分な説明があれば、もっと分かりやすかった。
  2. 同じ県内に住みながら、なかなか見る機会が少ない非常に希少な生物を紹介していただいた。映像が素晴らしく、豊かな自然が残っていることが分かった。撮影にも工夫があり、このような番組は県内だけでなく全国にも発信してほしい。
  3. 環境は重要だね、という一定の価値観を押し付けるのではなく、非常にバランスが取れた番組だった。野猫が希少な動物に与える影響をもっと取り上げてはどうだろうか。原生林という言葉が気になった。奄美の自然は手付かずのものではないので、用語の使い方は考えるべきだろう。
  4. プロでなければ撮影できない美しく、貴重な映像が次々に出てきたし、奄美での暮らしを伝える人物もいろんな方が出てこられ、全体的によくできた番組だった。ただ、雄大な奄美の自然から急に集落の塩づくりの話になって少し戸惑った。前段の番組の印象が少し薄れてしまった気がする。
  5. 地域のみなさんがいろんな課題を抱えつつも、自然遺産登録の実現を願っていることがよく分かった。内容も面白く、県民のためになる内容で、島を挙げての取り組みも伝わる非常にいい環境特番だった。
  6. 人の営みが番組に描かれていたのはよかった。奄美群島だけでなく、琉球諸島も含めた自然圏や生物圏について、どこかで説明があれば、ミニ知識になり、内容を深めることができたのではないか。
  7. 奄美が自然遺産に登録されるために、タイムリーでとても大きな応援になる番組だった。願わくば、亜熱帯、照葉樹林帯の自然や文化が学術的に分かりやすく伝わるような場面があればもっとよかった。
以上のような感想や意見、要望が出されました。
鹿児島放送はこれらの声を真剣に受け止め、今後の番組制作や放送活動に生かしていきます。
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