鹿児島放送の番組審議会は、志學館大学教授で鹿児島県立図書館長の原口泉さんを委員長に
県内の有識者8人で構成され、放送番組の向上をめざして意見を交わしています。
今回は、月曜から金曜日まで午後9時54分から放送中の報道番組『報道ステーション』について審議しました。
主な討議内容は次の通りです。
『報道ステーション』
- 報道ステーションには視聴率で計れない意義がある。時に嫌がられるニュースも流し、政権与党も無視できない番組だった。作り手の意図が反映できるか、真価が問われる。
- 富川キャスターは爽やかで主婦層に人気があるが、良くも悪くも「毒」がなくなった。筑紫哲也、久米宏、櫻井よしこ……そうそうたる顔ぶれが夜のニュース番組を担った時代を見てきたので、ジャーナリスト性を求める視聴者にとっては物足りなさを感じる。個性を発揮してほしい。
- キャスターが交代し、正攻法スタイルに戻った感じがする。大げさでなく、人の話をよく聞く。聞き役に徹している。
- コメンテーターに依存しているようで、頼りきっている印象を受ける。ひと言で言うと、刺々しさがなくなった。
- 難病ALS(筋萎縮性側索硬化症)の特集が放送された際、いとこが患者だった富川キャスターの優しさが分かって親近感を覚えた。品のある大人の番組であり、今後も世の中のいろんな疑問や課題を提起してもらいたい。
- ソフトな印象で好感はもてるが、主張がなくなって朝のモーニングショーを見ているようだ。看板番組のメーンとして存在感のあるキャスターになってほしい。
- ジャーナリズムの本流にエンターテインメントの要素を加え、ニュースを国民のものにした番組。新しいタイプのジャーナリストとして有望だと期待している。